マイノリティ・コンプレックス
我ながら、いろんなことに恵まれて生まれてきたと思う。
そこそこ裕福な家庭に生まれ、両親ともに健康。
平均よりもやや高めの身長と、それなりに恵まれた容姿と体格。
五体満足。心身ともに健康なヘテロセクシャルな男子。
生まれてこの方『生まれつきの条件』で不自由な思いをすることはなかった。
…でも、そのこと自体が1つの大きな『コンプレックス』でもあった。
恵まれた条件で生まれておきながら、心から『幸せだ』と言えるような人生ではなく、何か解決したいと思う社会問題に直面しても『自分は当事者じゃないから…』と思うことさえあった。
『当事者』であることに、ある種の『憧れさえ』抱いていた…
でも違った。
人生には、人には、それぞれ与えられた役割があるのだ。
自分は『当事者』ではない。
でも、
だからこそ、いわれのない偏見や差別に対して、断固として『NO』と言わなければならないのだ。
『当事者』ではない自分が、率先して差別や偏見を否定すること。
そのこと自体に意義がある。
それが、やっと見つけられた、自分と世界との関わり方。
同情や哀れみではなく、本当の意味での『平和な世界』を実現するための…『自分の役割』